うぐひすの なきちらすらむ 梅の花
2月11日(土・休) 先日来の寒さも和らぎ今日は快晴、最高気温10度と割と暖かい日。
この時期気になるのはやはり高岡古城公園の梅。公園へ梅を見に行く。
前回よりも開花が進み、コウトウジ、カゴシマベニ、トウジは満開。ブンゴ、オモイノママ、ツキノカツラなどは今から。
梅林中央、大伴家持の歌
みなさんご存じ 家持の歌。(万葉集巻17 3965)
「うぐひすの 鳴き散らすらむ 梅の花 いつしか君と手折りかざさむ」
大伴家持 万葉集 巻17 3965
鶯が鳴いて春の花を散らしていることでしょう。
いつになったらあなたと一緒にこの梅の枝を手折って髪にさせることでしょうか。
同時に作った歌
「春の花 今は盛りに にほふらむ 折りてりてかざすむ 手力(たじから)もがも」 同上 3966
春の花が今を盛りに咲いています。この梅の枝を折って髪にかざす手の力が欲しいです。
重病の心細さを池主に贈り訴えた歌。
大伴家持は天平18年(746)7月越中の守として着任した。29歳 赴任した最初の冬、家持は病に伏した。
越中で、初めて体験する国守の仕事せいか、越中の寒さのせいか、弟の訃報のせいか、それとも宴会疲れのせいか。
生きるか死ぬかという大病になった。そんな家持を励ましたのは家持より先に越中に赴任していた一族の大伴池主だった。
二人は、2月29日(太陽暦4月17日)から数日間のうちに短歌、長歌など手紙で交わした。
池主の歌による励ましに元気づけられたの晩春のころには病は回復した。
枝を折ろうとしたのは髪に挿すため。挿頭(かざし)と言って植物の生命力をわが身に移そうとする民間信仰
2023.2.11
高岡観光ボランティアガイド
やまたちばな 本保澄雄