ワークショップ北欧に学ぶ
9月3日ワークショップ「北欧に学ぶ」を行ないました。
40名もの方に参加していただきありがとうございました。
北欧に学ぶ・ワークショップを終えて のはらひとみ
このワークショップを行うきっかけは、もう三年近くも前に聞いた、映画「ミツバチの羽音と地球の回転」でおなじみの、鎌仲ひとみ監督の講演だった。エネルギー政策をはじめとして、スウェーデンのシステムが、あまりにも日本と違うことに驚き、もっと知りたいという気持ちが強くなった。エネルギーや福祉など、断片的な情報は入って来るものの、全体としては、どんなだろう?その気持ちが今回の「北欧の全体像を(浅くても、とりあえず)とらえてみたい」という企画につながった。北欧の専門家でも、行った事もない私だったけれど、北欧のことをかじってみると、「国としての考え方が、日本と北欧ではずいぶん違うのではないか?」と考えさせられた。
例えば、北欧では、弱者が大切にされ、障害者を持つ家庭は、様々な方法でサポートされる。「子供の将来で不安なこと?ありません。この子はこの子の道を行くでしょう」、とある母親は言う。これは特別なケースではなく、誰もが障害者になり得る中で、弱者となった人をどう守るか、という視点が強く、それは最終的に自分を守ることでもある。充実した福祉と、助け合おうとする精神。どの国も様々な問題を抱えているが、どんどん政策を変えつつ対応するその柔軟さ。北欧に関係する本を読み進むうち、そのシステムのあまりの違いに、何度も驚かされた。日本はというと…表面的に豊かでも、弱者切り捨て、基本的に競争社会の面が意外に強いのではないか、と思う。国民は金持ちでも、「本当に人間が大切にされているのか」、という疑問が残る。それは今回お話頂いた、福祉を専門とされる竹川慎吾さんが、日本の福祉予算は先進的な他国と比べ、大幅に少ない、ということを指摘されたことからも伺える。北欧では貯蓄はほとんどされない。人生で最大の終着点の心配をする必要が感じられないためだ。
能登貴文さんには、北欧に行かれた際の体験を話して頂いた。あるビアハウスでの一般男性との話。「自分は、25%の消費税を誇りを持って支払っている」等話されたという。人々の政治への関心はとても高く、どこででも政治の話は当たり前。日本では、お酒の場で政治の話、というと「白ける」、とさえ思われそうだ。
町で語ること、議論することで、政治に反映させている北欧。幸せ度が高いこれらの国々について、(今回シャキットの「高岡E-フェスタのワークショップの枠組み」を使わせてもらい)様々な人の手を借り、温めてもらいながら、当日を迎えられたことを「言いだしっぺ」としては、本当に感謝しています。心強い女性達に助けられながら、遠い「幸せ度の高い国」の、ほんの最初の方のページをめくり始めた思いがします。知る、という、ただそれだけで、人の意識が変わることだってある。それぞれに対応して頂いたシャキットのみなさん、竹川さん、フェイスブックで呼びかけて頂いた能登さん、影日向に支えて下さった皆様、本当にありがとうございました。また、新たな機会を探したいと思いつつ。感謝をこめて。